部活動が忙しすぎて英語塾辞めます!
要約
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①生徒が部活動の忙しさを理由に英語塾をやめた。
②筆者は何に時間を使うことが生徒にとってベストなのか疑問を抱いた。
③自分の軸を確認したうえでそこに時間を投資することが大切。
④これからは、自発的に行動し自分の生き方を個々が追及していく時代。でなければ、能力の高い他国の生徒たちに負けていく。
⑤英語塾エベレストでのやるべきことを明確化。
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生徒が一人辞めた。
理由は部活動が忙しすぎるためで、
朝練からはじまり、夕方から夜、
週末も両日、そして夏休みもほぼ休みなしという状況だからだそう。
しかし、部活動にそれほどまでに時間を費やすことが
13歳の彼の将来にとって本当にベストな選択なのだろうか。
親は言う。学校に何しに行ってるって、部活をしに行ってるようなものです。と。
自分の過去を振り返ってみて思う。
学生時代の時間の使い方は果たして良かったのか、
もっと違う使い方があってもよかったのではないか。
学生の時に何か一つでも没頭できていたらなと。
中学や高校生の時に自分の人生、生き方に、
積極性をもって取り組めていたら、これまで迷いに費やしてきた時間も
より有意義に使えていたのかもしれないと思ったりするのである。
何がまずかったのか振り返りつつ、
どうすればよかったのか、
もしくは何があれば助けになったのか考えてみたい。
そうすることで無駄な迷いの時間が削減され、
より自分らしい生き方を生き抜く時間を創れると考えている。
【間違いその①】勉強する目的も考えずにただ勉強した(方針なし。)
人との勝負で負けることが嫌いだった自分は、とにかく中学でテスト勉強はたくさんやった。ある意味見栄っ張りな部分があったのだと思う。とにかく学年で5位以内には必ず入ってやる!といつも意気込んでいた。テストでいい点数を取れば、周りからよく思われる。そしておれはできる!といった妙なプライドもあって、できる自分が誇らしかった。
しかし、その勉強を何のためにやっているのか、そこに解はなかった。
ただ、やみくもに大切なことだと教えられたので、それを学んだだけ。勉強する目的など考えたことなどなかった。
【間違いその②】膨大な時間を取られる部活動(時間の搾取。)
部活はサッカー部。運動が得意だったので、1年からレギュラー、でも大会ではいつも1回戦負けという弱小チーム。弱小チームだが、授業が終われば、すぐに部活。土日も部活である程度の時間はとられる。それは夏休みでも同じこと。
サッカーは大好きなスポーツだったが、
朝練、
授業後の練習、
週末の練習、
週末の対外試合、
春・夏・冬休み中の練習、と
部活に使う時間はあまりにも膨大だった。
練習をして、その先に何を得たいかを考えないまま
ただただ、言われた練習を全力で毎日こなすだけだった。
【間違いその③】意志のない進路決定をした。(方向性の間違い。)
それは、高校進学の進路。
本当はサッカーがしたい、男女共学の学区外の学校へいって、
文武両道の学校に行きたかった。
ただ、そこは学区外ということで、諦め、
生半可に勉強ができたことで、
学区内で一番成績が良い学校だからという理由のみで地元の高校に進学した。
とにかく大学が何をするところなのかすら、よくわからないまま、
大学入学を最優先にした進路決定をした。
あまりに田舎なのと、家からあまり遠いところへ出かけない家族だったため、
大学を見たことがなく、その存在と意義を教えてくれる大人はいなかった。
まとめると、
①目的がないままに
大人に言われたことや
周りがそうするからという流れに
身を任せて、
自分では自分の生き方を中学時代に
一切何も考えてこなかったこと。
そして、それ自体を考えるきっかけすらなかったことだ。(個人の問題)
②ましてや、自分が何に興味があって、
将来どんな道(仕事)を歩みたいのか。
それ以前に、どんな道が世の中にあるのか、
その仕事(プロ)につくためには、
どういうステップを先人は踏んでいったのか、
そんなことを教えてくれる大人はいなかった。(周囲の問題)
環境的にも限界があった。
親は大学を出ていない。
地元は人口8000人のど田舎で、
図書館の蔵書は古く、情報量が少ない。
外に出かけることもしないので、
街にあふれている情報も入ってこない。
インターネットがスタートしたころだったが、
パソコンはどこにもない。
というような状況だった。
圧倒的に情報が足りていなかったのだ。
高校2年生ぐらいまでほとんど何も考えずに過ごしてきたことになる。
とてももったいないことだ。
では、過去の失敗を嘆いているだけではなく、
そこからの学びをどう生かすか、同じような目に合わないように、
どうすべきだろうか。考えてみた。
【こうだったらよかったなその①】自分が何者かに気づけるよう、色んな人生の選択肢を見たかった。
中学の時には、とりあえず勉強をして良い成績をとることで良しとされていた。
ただし、それが何に繋がっていくのかを熟考したことはなく、大人も特には教えてくれなかった。
勉強で得点を取れるのは、物覚えが良く、準備(事前の段取り)ができれば点数は取れる。
測られているのは、記憶力だ。
様々な可能性を持つ子供を、その1つの物差しだけで、一律に図ろうとすることは、逆に子供のあらゆる他の可能性の芽を摘んてしまうことになるだろうと懸念している。
だから、5教科の授業内容の理解度を確認するテストで生徒を評価して順位付けすることはとても偏った教育だと感じている。
社会において必要な能力は様々だ。
チームをリードできる統率力だったり、アイディアをまとめる企画力、部署をまたいでの調整力など、詰込み学習で得られるものとは、違った能力の方が実は大事だったりする。
一人一人の興味・関心を生徒個人が見出すことのできるよう、様々なアクティビティを提供し、きっかけをつくってあげることで、自分自身に気づいていく。ゴール設定ができるのだ。
ぼんやりでもゴール設定ができたら、そのゴールに向かうために、どんなステップがあるかを、参考情報として提供してあげる。(こういう段階を踏んだ人がいましたよと)
それが一つの教育の在り方なのではないだろうか。
【こうだったらよかったなその②】プロの生の話を直接聞きたかったな。
上記に重なる部分があるが、これも選択肢を見せるということの一つに繋がっていくのだと思う。ただ誰が伝えるかがここでは肝。
今はテレビでプロフェッショナルという番組がやっていて、プロとしてのいろんな生き方を見せてくれるが、私が学生の時にはそういった情報はなかった。多種多様な職業の人で、トップを走っている方の話を聞く機会など一切なかった。
超一流でなくてもよい。その道で飯を食っている人の言葉には、生々しい言霊が宿っているはずだと、思っている。
一言が重い。
本を何冊も読むことも大切だが、一人の先輩から対面でもらう言葉が自分にとってはとても大きかった。
その人でなければ語れないメッセージといったものだ。
なのでそのような色んなプロフェッショナルの生き様を体感できる場があったらよかったなと思う。
それが自分の生き方を考えるきっかけになるかもしれないからだ。
【こうだったらよかったなその③】実際にその仕事を体験する場があったらな。
興味があっても、やってみたら違っていた。
実際には、自分は細かいことが得意なんだ。
などと、想像と現実が違っていることはしょっちゅうあるだろう。
ただし、それは確かめることができればの話。
子供ができたら連れていきたいが、キッザニアはまさに最高の実体験の場の例だと思う。
ああいったものをより具体的に、体験できたらよいと思う。
自分は何でそれができたかというと、1つ目の会社での経験だ。
いろんな役割をやらせてもらえたことが幸運だった。
デザイナーで入社したものの、ポジションがなくなり、
マーケティングからスタートした。
その後、デザイナーに戻り、パッケージなどのデザインをやった。
次にチームリーダー。ここではお金の流れを学び、チームとしての赤字を脱却する成功体験を得た。
といった形で、最終的にはマーケティングのキャリアを築いていくことになるが、
それは色々と一定期間試せたから、決断できたことだなと実感している。
たから、自分のどんな能力を使って、社会に貢献していけるかを検証していけたらそれはとても有意義な時間になるのだと思う。
【まとめ】
つまりは、
①色んな選択肢を見せて、自分の生き方を見つけること
②その道のプロの話を直接聞いて自分の生きざまを想像すること、進むべき道のりを確認すること。
③実際に体験してみること
この3つを中高生の時代にでできていれば、
そこにいち早く時間を投資できて、
経験を高めることができる。
仮に道が違ったとしても、
軌道修正も若い分早めにできるから、リスクが低い。
そんな形で、より自分らしい生き方を模索し、確認できるのではないか、
とそう思っている。
何に時間を投資するかを見定めること
そして、見定めたら徹底的にやってみること
それがこれから個人としては必要なことで、
教育者はその手助けをすることが教育につながるのではと考えている。
【これからの人材合戦】
仕事上、海外の学生や若い海外の人と話をすることが多い。
特にアジア圏が多いが、感じるのは彼らの能力の高さだ。
仕事も熱心にやり、3か国語を話すのは当たり前。
コミュニケーション能力は高く、明確に自分の方向性を持っている。
正直、日本の大学生と比較すると、考え方が甘かったり、幼稚に感じてしまう。
このままでは確実に世界と差をつけられていく。そう実感している。
【これからのエベレスト】
エベレストは英語塾として、実践を意識した場として、
使える英語を生徒に提供したくて始めた。
そしてこれからは、更に一歩踏み込んで、月に1回でも、
何らかの形で学生に自分の将来を考えるきっかけを提供していければと思う。
自分の時間の使い方を、受け身ではなく積極的に意思決定していけるような場。
英語塾を確立させて、別で学校を建ててそこからやれればと思っていたが、
今目の前の生徒にその場を提供してもよいのではないかと思っている。